還暦はこころの20歳。

千葉県、小湊鐵道沿線に、 自然と共存するピュアなカフェがある。

9月のある秋晴れの日。
先日、訪れた千葉県・小湊鐵道の人気の無人駅に再びやってきた。
上総鶴舞駅(かずさつるまいえき)。
しかし今回の目的地は、上総鶴舞駅構内の旧鶴舞発電所跡で営業している、鶴舞駅cafe。

大人気の板澤マスターは、カフェオーナーでありながら、まるでカフェボーイのように瞳がどこまでも澄んでいた。
毎週金曜日、土曜日、日曜日、月曜日にオープンしている鶴舞cafeは、イエローのキッチンカーをメインに、深緑の中にテーブルとチェアが点在し、自然と共存しているカフェ。
自然の中で生息しているようなピュアなカフェなのだ。
鶴舞caféはオーガニックコーヒー。
オーガニックコーヒーとは農薬や化学肥料なしで、オーガニック農法によって生産しているコーヒー生豆を使用した話題のコーヒー。
なかでも鶴舞caféの樹齢100年コーヒーは、小湊鐵道が昨年創立100周年を迎えた記念として、樹齢100年の木からとれたコーヒー豆だけを使ってスプーンプレスという新しい抽出方法で入れた貴重なもの。

僕も飲んでみたが、ブラックなのにほのかに甘さを感じるくらいおいしいのだ。
板澤マスターは語る。

「ここのお店での出会いはまさに奇跡のようなもの。お店がどこにあるのかもわからないし、実際には不便なところにあるし。
だからこそ、わざわざ来てくれるお客さまのありがたさをこころの奥から熱く感じます。
私の夢は、記憶に残るコーヒーを入れること。あのとき飲んだ、たった一杯のコーヒーのおいしさを忘れない。
そんなコーヒーを入れたい。」

味とははかないものである。一瞬おいしく、そしてそのおいしさはやがて消えていく。
おいしいとは、一瞬の幸福をいうのかもしれない。
たった一瞬の幸福を感じるために、人は店に長蛇の行列をつくり、全国各地を北から南までくまなくまわり、そして世界の果てまでも巡るのだ。
夢を追い続ける板澤マスターは、輝いていた。
そして僕も、この年齢でまだ夢を追い求めている。志半ばで朽ち果てるかもしれない。

夢をかなえるか、先に死ぬか。
でも追わずにはいられない。

※メニューと価格は、季節で変動があります。

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