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求める人材が「無理難題」になっていませんか?【求人制作の教科書02】

採用 求人 ポイント

現在の有効求人倍率は1.27倍程度と、求職者が有利な売り手市場(2024年現在)。
そんな時代の求人制作においては、「会社側が応募者の中から選ぶ」というスタンスから脱却し、「多くの企業の中から自社を選んでもらう」という視点を持つことが大切です。

今回例として挙げるのは、求人の中で最重要とも言える「求める人材」の欄。
企業によって欲しい人材の基準はさまざまかと思いますが、書き方に注意しないと知らず知らずのうちに応募者の方へ悪印象を与えてしまう(=選んでもらえない)ことに繋がりかねません。

この記事でご紹介する注意すべきポイントは、求める人材の書き方が「無理難題」になっていないか。
実例を元に書き換えのポイントをお伝えしていきます。

<例>
求めている人材:何事にもポジティブで、常に前向きに頑張れる方

<解説>
よく見かける表現かもしれませんが「何事にもポジティブです!」と胸を張れる人ってなかなかいません。
誰しも得意があれば苦手もあるので、少々極端な表現と言えます。
また、後半の「常に前向きに」も理想を押し付けてしまっている感があります。
落ち込む時もあれば悩む時もあるのが人間なので、こちらも少々インパクトの強過ぎる表現です。
上記のような「絶対に」「どんな時も」「何事も」など、強い言葉を使う時は特に注意が必要です。
 

<改善例>
求めている人材:どんどん新しいことに挑戦し、自分の可能性を広げたい方
求めている人材:困難を自らの工夫で乗り越えることにやりがいを感じる方

<解説>
「何事にもポジティブ」といった表現をする裏には、これまでの社員の「ポジティブさに欠ける」姿勢によって困った経験があったと推察されます。
まずはより具体的に何に困ったのか、どんな姿勢がアンマッチだったのかを社内で考え、言語化してみましょう。
実際にこのような表現を使ったあるケースでは「新しい仕事を任せると嫌な顔をする社員」が扱いづらく、そのような方を避けたいという想いがあり、その気持ちが強い言葉として求人に反映されていました。

今回は具体的な避けたい人材「新しいことへの挑戦を嫌がる人」を避けるために「新しいことに挑戦したい人」という具体的な内容へ変更
もう一つの例では「常に前向きに頑張れる方」という企業側の希望を「困難を乗り越えることにやりがいを感じる」という求職者側のパーソナリティへと変換しています。文章の意味自体はそこまで変わっていませんが、実際に受ける印象は大きく異なるかと思います。

「~したい方」という「入社者目線」への変更は大切なテクニック

このように「(会社のために)~してくれる人」よりも「(キャリアを通して)~したい人」というテイストの方が「社員の自己実現を応援してくれる会社」という印象を持ってもらえる可能性がアップします。

さらに深掘りすると、他の企業が会社目線で欲しい人材を羅列しているなか、あえて応募者主語で記載することで採用競合他社と差別化を図るテクニックとしても機能します。
小さなことに感じるかもしれませんが、私の経験上、このような姿勢が応募数に少なからず影響を与えています。
ぜひ、求める人材を記載する際の参考にしてみてください。


<求人制作時のチェックポイント>
・「本当にそんな人いる?」という無理難題になっていないか
・「常に」「絶対に」「必ず」など、極端な表現を使っていないか
・どんな人がNG/OKかを、感覚ではなく業務ベースで具体化できているか
・会社の「~してほしい」だけでなく応募者の「~したい」を意識できているか